起業とお金と退職金

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起業は少し前までは「自宅でこじんまりと」が定番で、米国ではHPやアップルのように「ガレージで」がカッコいいスタートでした。そんな文化に憧れはありつつ、今はあらゆる時間が短くなり、テクノロジーと効率化ありきになっています。月に2万円を出して、超一等地アドレスと快適な仕事スペースを手に入れるのがよさそうです。

コワーキングスペース合同会社の一般化が目につきますが、ほかにも起業に必要なお金はこの数年で、それまでとは異なる次元で「いらなく」なってきていると感じます。サラリーマンが会社やめて起業するときにあてにできるのは退職金くらいですから、よい流れです。

その退職金を少しでも多くできないか、会社都合での退職にできないか、昨年の夏から今ごろにかけて私は人事にかけあっていました。もちろん、ここまでストレートではなく、あれこれ絡めた「ほにゃららの最適化について」といった提案でした。

「会社都合で退職すると、退職金は自己都合の2.7倍出る」。退職金は大きな控除があり、非課税あるいはわずかな税金等を徴収されるだけです。給与所得者の感覚としては3倍かそれ以上でしょう。

「一身上の都合で!」と自己都合でやめたときの退職金が100万円だとすると、会社都合ではおよそ270万円になります。同じく500万円は1350万円になります。比率は同じですから、勤続年数が長く、退職金がたくさんもらえそうなひとほど「自己都合で会社やめるのは、ちょっと待った方がよい」わけです。

「金? 金よりもっと大切なもののために起業するんだけど? 社内政治で時間ムダにしたくないんだけど?」。わかります。ただ、この退職金の差額を「利益」として残すためにどれだけの売上をあげなければならないか。寄付を募るはもちろん、返済や配当が必要な融資や出資で集めることさえもどれだけ大変で時間のかかることか。そして、人事を説得するほうが、どれだけ簡単なことか。

お金の額は「失敗できる回数」を増やします。1回目でダメになるか、2回目、3回目のチャンスがあるのかは、メンタルとお金がモノをいいます。それが「なにもせず」に手に入ることより大切なことが、本当に「1回目の」起業時にあるのか……です。