老人と親切とお金

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妻の北海道の実家では、夫婦で携帯電話代が毎月2万円かかっていました。ガラケーから別の会社のiPhoneにして、さらに家電量販店の「親切な店員さん」のおすすめで「自宅のインターネットも見直し」したら、その「インターネット」もあわせて毎月1万円になったそうです。年金生活で毎月1万円以上の差は大きく、喜んでいます。

「そうなんだー」でおわる会話ですが、その前に東京の娘と私に連絡もらえていれば、同じ結果を毎月5000円で実現できる提案をできました。家族割や紹介の仕組みです。店員さんも当然、家族割などの仕組みは熟知していますが、自分やお店にとってメリットのない提案を店頭ですることはありません。

さて、私の実家も、母親が仕事でつかうWindows XPのノートPCがやっと壊れ(壊れるまで使うと言い切られていました)、15年ぶりくらいに同じ会社のノートPCに買い換えることになりました。

経費で、一括でなくてもよいという条件にあわせ、長持ちしそうなモデルを選び、オプションや自宅まで来てくれる保守サービスなど詳細も私が決めました。「あとは、このシニア専用の窓口に電話して注文すれば、ここの金額から15%引いて、さらに5%引いて、そのうえシニア限定で5000円か1万円を引いてくれるから。じゃ」。

注文後、母親からいろいろありがとうと電話がありました。「それで、電話はとても親切でね、ウィルス対策のも追加したけどあってるよね。5000円とか…」「えっ」「あと、壊れたときの本体交換もつけて、1万円だったかしら」「えっ」。

母親は、標的型攻撃を仕掛けたくなるような、2年後の発売を計画するEV自動車の設計図面や、原発プラントの保守マニュアルを保管しているわけではありません。毎日、朝から晩まで客先に保険を売りに行く営業ではありませんから、代替機もいりません。私がつけていた翌日のオンサイト修理でも十分すぎるくらいです。どちらも、いらないオプションです。5000円か1万円の割引を期待していたら「親切な電話」で15000円が追加されていました。

私のミスです。「年金は、私たちから娯楽やスキルアップに使ったり、将来に備えた資産運用の原資にすべきお金を奪い、そっくりそのまま高齢者にわたすお小遣い」であるから、私の母親も父親も、少し高い買い物をするときは私に相談をします。私はそれに応えたいと思っていましたが、世の高齢者向けビジネスはやはり侮れないようです。