目黒のマンションでマタタビを育てると

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目黒で妻と猫と暮らしていたマンションは南向きで、バルコニーが広く、家庭菜園にチャレンジしたくなる部屋でした。こじゃれたハーブを育てる方が多そうですが、わが家は猫がいるのでマタタビを育てることにしました。そして……。

ある日、網戸にたっくさん、透明な羽、胴体が薄緑色の虫がついていました。空中にも飛びまくっています。クサカゲロウです。家庭菜園でぽつぽつと虫がつくことはありますが、マタタビが虫をそこら中から呼び寄せたのです。イメージとしては石渡治『B・B』のアレクセイ・ポリャンスキー時代で描かれる「黒い悪魔」イナゴの大群の襲来です。

そんなマタタビに興味をもったのは、北海道江差の「群来(くき)」に妻と泊まったときでした。「猫は預けてきたんですよー」などとご主人と雑談していたら、東京に戻る日、私たちへのおみやげとしてマタタビの枝が! 「寒い土地でも育つんですか?」「驚かれましたか! そもそもマタタビアイヌ語で冬という意味が……」。

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マタタビの枝を、なじみの猫カフェのおみやげにすると、写真のようにえらいこっちゃになりました。これは自分でも育てようとその日に苗木を発注したのでした。

「緑の悪魔」に葉っぱを食いちぎられて枝だけになったマタタビはそのままにしました。冬を迎え、春が訪れるとまた芽吹きました。アイヌの地で鍛えられただけあり、圧倒的な生命力です。そして、ふたたび……。

都心周辺は緑が多い地域でもありますが、それでも虫や鳥たちにとっては不足しています。低層階では虫が「想像を超えて」集まってくることを知りました。マタタビは「まずは1.5メートル! カフェ仲間に枝ごと配りまくるぜ!」を夢みていましたが、50センチそこそこで敷地内の大きな桜の樹のそばに移植しました。

低層階の虫もそうですが、「バルコニーにデッキパネル、休日の朝はカフェっぽく♡」といった「モデルルームの夢あるある」は、高層階のなんでも吹っとばす風に遠くの音まで拾う轟音のなかではムリであることを想像できないものです。じゃあググってググって知識武装すればよいかというと、「夢は見ている間がしあわせ」ですから、覚まさないでもいいのではと思うこの頃です。マタタビ騒動も、夢みられましたし、楽しかったです。