「節税する」か「税金の使い道を考える」か

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「節税対策としての不動産購入」の相談をもちかけられることが結構あります。外資IT企業の部長職以上に就く知人が多く、「税金の垂れ流し」をどうにかしたいという相談です。そもそも私が節税対策用不動産を扱っていると勘違いしているひともいるくらいです。

かぼちゃの馬車」がメディアを賑わせましたが、知っているだけで3人が契約していました。あれ、2億円とかだったと思いますが、それだけ銀行(するがですが)から引っ張れる収入を得ているのはさすがです。

たしかに、サラリーマンを続けて給与所得を得ながら「不動産事業を営む」ことで、節税ができる可能性はあります。しかし、その場合は「儲からない不動産」を買う必要があり、出口まで考えると節税以上に損をする可能性が高くなります。

また「儲からない不動産」による節税は「サラリーマンの収入があってこそ」であり、 その収入もざっくり2000万円以上は必要です。稼げる能力とは関係なく、とにかく節税の原資確保のために年収を落とすわけにはいかないため「会社やめてしばらく海外でもぶらつくわ」などできなくなります。ちなみに、退職金をいくらもらおうが、節税の原資にはなりません。「節税のために働き続ける」しかないんです。

さらに収益不動産は損金扱いにできる減価償却金利が毎年減っていきますから、「儲からない不動産」は少しずつ「儲かる不動産」に変化していきます。もっていればもっているほど節税効果が高くなればまだ救いはあるのですが、まったく逆です。だんたんと節税効果がなくなるのです。どこかのタイミングで「税金を取り戻すどころか、もっと税金を払うための不動産」になっていたりするわけです。

わが家も収益不動産はもっていますし、実家など数棟数十戸をもっています。その経験からも、業者がサラリーマンに「節税効果」一点張りで収益不動産を売るのはダメだろうと思ってしまうのですが、私が理解できていないだけで本当に期待できる節税効果があるのでしょうか。

さて、節税にこだわらず「税金をどうするか」の視点でみると、無料セミナーで紹介された営業に頼って節税のために収益不動産を買ったりするのではなく*1、「寄付」という選択肢もあります。

寄付のひとつの形は「自分で税金の使い道を特定する」です。ふるさと納税も控除対象にできる寄付ですね。たとえば海外も含めて学校など教育のための施設への支援にお金を振り向けるのもアリだと思っています。

おなじみ「マズローの欲求5段階説」では、お金をどうこうするために不動産を買うのは3段階目の「親和欲求」です。4段階目の「承認欲求」が大流行の今では、まあ、低い次元です。

もう一方の「世界の教育問題を解決する」ために寄付をするのは(少し盛りました)、最上位の「自己実現の欲求」を満たすものです。節税用不動産を買うのと違ってお金は戻ってきませんが、控除できる寄付であればお金が出ていくこともありません。そして、毎年寄付を続けることで自分が接するひと、接する世界が変わります。

*1:これだけ「プロ」の不動産投資の失敗談もあふれているなかで、タダで、こちらからお願いもしていないのに向こうから、しかも自分が得するものを紹介してくれるすばらしい世の中ならよいのですが。