「末期ガンから生還」したひとの話

f:id:tak_jp:20180707113125j:plain

神戸に行った目的のひとつに、「末期ガンから生還した」元同僚と食事をすることもありました。

2008年、彼は、肝臓を原発に複数箇所に転移したガンを診断されました。もちろん末期ガンで、ステージ4です。転移や再発の繰り返しでこれまでに7回の手術を受けました。

いまは血液検査やCTなどを年に1回受けるくらいになったそうです。彼の地元にあって、子どものころから知っているお寿司さんで「私と一緒に寿司ぱくぱく食ってる」わけで、まあ、ほんとにガンだったの?と思える回復っぷりです。細かなことは(飲んだので)忘れましたが、生存率についての統計的な値としては「1.5%以下」に含まれる人間だそうです。

彼の人生観や「壮絶な手術痕」はこれまでに何度も定番ネタとして聞いていたので、今回の興味は「どんな治療をうけてきたのか」の一点でした。

ひとことで言えば「医者に命を預けて、まかせっきり」を貫いたと。

それぞれの手術や抗がん剤投与の目的がなんだったかなどいろいろと教えてもらいましたが、本当に細かなところまで覚えていました。お医者さんに、わからないことはわからないと聞きまくったと言います。特にリスクについては、医者は本来は「治療への影響を考えて」積極的な説明はしなくてもOKなわけですが、丁寧な説明を引き出してきたと言います。

治療によっては味覚がわからなくなったり、食べても吐くようになったりするので「それはイヤだなあ」と、食べたいものを食べに食べて、10kg以上太ったそうです。

抗がん剤は、原発である肝臓ガンの摘出に向け、ガン細胞を(肝臓再生の要件である)3分の1の大きさまで縮小させるために受け入れたのがメインで、ほかは「気休め」的な服用だったそうです。「ハゲてもOKだぜ」だったけどキツい副作用はなく、幸運だったと。

肺もだいぶ切り取ったものの「肺ってのびるんだよ。切り取っても、びよーーんってやれば元に戻るんだよ」だそうで、まあ、どういう説明を医者から受けて、私にどこまで噛み砕いて伝えているのかはともかく、なんとかなったようです。

東洋医学的な治療、代替療法といったものは一切せず、興味もなかったそうです。治療や手術以外の時間すべては、とにかくやりたいことに使うのでいっぱいいっぱいで、そんなことに時間を使うことなんて考えもしなかったと。「でもなあ、ガンが治る水とかいって、九州の友だちからたくさん送られてきて置き場が大変だったよ。スーパーでも売ってるやつなのに」。

また、結果論ではあるとしながらも、「末期ガンから生還」で必ずといっていいほど出てくる「先進医療」も受けず、すべて標準治療だったそうです。「陽子線とかリンパとか言われても、なんのことかわかんないよ」。

彼は外資IT営業で稼いだ「かなりの」お金持ちですので、私は代替療法や先進医療に手当たり次第取り組んだと思っていたのですが、いろいろと裏切られました。一方で、私の考え方にもとても近く、嬉しくもありました。同じ会社に勤めていたことがあり、しかもそれが2社ですので、頭んなか、思考回路が似ているのかもしれませんが。

さて、そんな「奇跡的」な彼ですが、もちろん病院が宣伝に使うことはありません。医者も「たまーに、そういうひともいるんだよね」とあっさりしているそうです。

うーん、間違いなく「運がよかった」のでしょう。そして、その運は「医者に命を預けて、任せきった」「医者を心から信頼した」ことに引き寄せられたのではないかとも思います。

「ガンは瞑想で治る」「余命は自分がつくり出す」「ガンになったら医者を信じるな」といったよくある宣伝も完全否定はしませんが……私は、彼と同じように「お医者さんを心から信頼して、西洋医学をなにより優先して、すべての時間はやりたいことに注ぎ、食べたいものを食べる」を選びたいと思います。