母の日 ‐ 母親が微妙な金融商品で財産をなくさないためにすべきこと

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就職氷河期世代にとっての母の日ということで、高齢者の母親をもつ子どもの立場で書いてみます。自分が45歳くらいになると、親に「ありがとう」言って感謝していればいいってものではなく、これからの介護や相続など現実的な問題と向き合うことになります。

高齢者の親に関する問題は、結局はお金にいきつきます。思いや絆も忘れないのがよいですが、お金がない息子や娘が、仕事捨てて介護に全力そそいでくれてもいろいろと複雑な思いが先にたってしまいます。とにかく、お金です。

子どもとしてできるのは、親のお金を守ることです。直接的に、お金をつくって渡すことではありません。私たちの年代の親は、私たちの稼ぎによって支えられた年金を十分に受け取れています。親のお金を守ることは、その、年金に形を変えて間接的に親の手にわたった私たちの稼ぎを守ることと同じです*1

なにから守るか、だれから守るか。もちろん、高齢者向けの金融商品の勧誘などからです。たまにテレビをみると、高齢者の金をターゲットにした広告が本当に多いことに驚きます。ひどいもんですね。

数年前、妻や私などの「元」を含む湾岸タワーマンションの住民はネスレのアレを実演販売で買っていたわけですが、この実演販売は本当にすべてのマーケティングテクニックが盛り込まれています。高齢者向けの勧誘は、さらに全力で売り込みテクニックが盛り込まれています。ネスレのアレどころではないのです。

オレオレ詐欺も、サブリースがどうこうでの賃貸マンション経営も、レアル建ての投信も、原野商法も、安愚楽牧場も、ダマされるほうは悪くありません。逆に「なんでこんなものにダマされてんだよー」と責めるひとは、そのきわめて高いレベルで完成された営業手法のターゲットになったことがないだけです。

私は、投資イベントのアンケートでよくある「いままでに経験したことのある投資」欄にあるすべての取引に手を出したことがあります。ダマされること承知で積極的に試しています。仮想/暗号化通貨(ビットコインなど)や和牛商法(安愚楽牧場など)といった怪しいといわれるものにも食いつき、たまにダメージ食らってます。

自分でも経験すると、詐欺や詐欺っぽいものにダマされるもダマされないも紙一重で、そもそも何が詐欺かなんて視点の違いによる解釈に過ぎず、わかりようもないことに気づきます。いつの時代も、世界で最も信頼されている職業は詐欺師です。詐欺かどうかを見破ろうとしているひとがもっとも詐欺にあいやすいともいわれています。

母親と父親にも、このあたりのことを共有しています。ダマされるのは「ひとは信じる、助けるべき」と考える人間として生きているからには「仕方ないこと」と割り切ります。ただ、そのダメージをコントロールすることを忘れないという考え方です。一発ですべてを失うこと、致命傷を負うことを避けるほうが大切です。

「自分はダマされないようにする」ではなく「ひとはダマされる生き物だ」と理解することが第一歩です。たまにはダマされて学習することによって、逆に破滅的なダメージを防ぐことができます。免疫と同じですね。

母親が「窓口のコがほんとにいいコでねー」と、都銀の支店で、レアル建てで手数料が超高い謎な投信をたっぷりな口数買っていても、責めません。どれだけいいコだったかを「ふむふむ」とニコニコきいて、終わりにします。帰ってから「あれ儲かったら相続もめるねー笑」「いい投資の話があったらぼくにも教えて」を強調したメッセージを送ります。

「だれにもダマされてたまるもんか」と身構えて生きるのは大変です。ダマされても幸せならいいんです。そしてこの考えのほうが、何歳になってもその先の人生に期待でき、楽しく過ごせると思っています。

*1:「年金は自分たちが過去に積み立てたお金が運用されて自分たちに支払われている」と根っこから勘違いしている高齢者は本当に多いです。わが家は大丈夫なのですが。