ForからWithへ

トヨタの広告で「For」にばってんをして、「With」に書き換えたものがあります。なにかのために、だれかのためにといったメッセージはこれまでのものとして、これからは「ともに」「一緒に」を伝えていきたいようです。トヨタが使うくらいですから、おそらく、世界的な流行でもあるでしょう。

「あなたのために」という言葉は、いついかなる時も美しくない。by 大島弓子 といったTwitterを保存していたことを思い出しました。

言葉に出したら負け、なのかもしれないですし、自分のためでしかなくてもそれは自分勝手なおこないになってしまうのが怖くて発してしまう逃げがこの言葉なのかもしれないです。そんな風に解釈していますが、世にあふれる「お客様のために」の使い方も考えさせられる、するどいフレーズだと思います。

弊社も、会社設立前の昨年末にロゴ展開などをかきなぐっていた頃に、「more simple with 社名」といったキャッチコピーを中心にしようと決めていました。「with」を使うきっかけはガートナー社のメッセージである「Smarter with Gartner」が目にとまったからでした。

きっかけというか、パクりのようにも思えますが、2016年に勤め先でクラウド関連サービスを立ち上げた際も「Get Digital with 社名」といったメッセージを打ち出しましたし、ここ数年ずっと気に入っているパターンです。

これらを「~のために」とやってしまうと、現実のどろどろした何かを隠しているようになぜか感じてしまうのです。

ビジネスでは「お客様のために」は最強の免罪符になります。今月の数字が欲しかっただけだったり、手間が面倒なだけだったり、違法行為ぎりぎりだったりしても「お客様のために」やったとこだとして、逃げようとしますからね。

最終的に全責任をお客様にぶん投げているのです。自分を守り「お客様」を切り捨ててしまう言葉が「お客様のために」の本質にも思えてきます。

もちろん、本当に相手のことを考え抜いた提案などもあると思います。しかし、相手のことなどお構いないしに自分側の都合で導き出したなにかなのに、最後に「お客様のために」を付け足しただけの提案がほとんどでしょう。たとえ自社都合全開のサービスレベル定義だったとしても、「お客様目線で定義した~」とかつけるだけでそれっぽいですよね。

昨晩、解約でもめている会社さんからそんな提案を受けました。私が「その会社のため」に提示していたのに却下された落としどころをそのまま持ってきて、「貴社のために考えました」を付けたしてきたので、笑ってしまうわけです。