利回り5%以下の投資物件

独自のリノベーション賃貸戦略を売りにしている不動産会社から、定期的にメールで物件情報が送られてきます。販売図面だけでなく収支シミュレーションも載るようになってきました。

今回は、最寄り駅が田園都市線で徒歩10分、築20年で2040万円、表面利回りが4.8%のワンルームの案内です。

もはやこういったやや微妙な物件でも表面利回り5%を切るのがあたりまえのようで、好立地の物件はずいぶん前から3%台でも出ていますね。「161万円の自己資金で残りを借り入れで購入する前提で、年間収入が8.5万円である」と、丁寧な計算も書かれています。プロ向けではなく、サラリーマンを相手にしていることもうかがえます。

年間収入8.5万円が低いか高いかはともかく、空き室率ゼロ想定ですから退去が出れば実質マイナスです。設備の交換や修理があれば利益がその分だけ減ります。経費で計上できるからといっても、そもそも事業収入ですからここから税金がとられて、手元に残るお金はさらに少ないわけです。

では、どれだけの物件をもっていれば老後の不安がやわらぐのか。シンプルに計算すると、よくある「不動産で2億円の資産」では、常に満室稼働で修繕も発生しないというありえない前提でも年間85万円の収入で終わることが読み取れます。

それでは不動産資産を何億円もてばよいのか。サラリーマンの感覚では、ざっくりと8億円から10億円でしょう。2000万円の部屋であれば40室から50室ほどです。これで、不安がやわらぐような気がします。

しかし、現実的には無理です。

なにより、金融機関が個人に何億円もお金を貸してくれません。物件が担保になると思っていても、実際にはサラリーマンの労働に対してお金を貸しているだけなので期待できません。2億円が限度です。

それ以上は事業として借りる必要から、本業として取り組むことになります。そして、金利はぐっと上がり、ただでさえ低い利回りはさらに悪化します。

片手間の投資で安定した収入を得たいという目的は、物件数のスケールとあわせてうやむやになってしまいます。しかも、収入はわずかです。物件を売った不動産会社と、管理する不動産会社、住宅ローンより高い金利をとれる金融機関、リフォーム屋がもうかっただけです。

元手があるのなら、J-REIT買って分配金をもらったほうがよっぽど効率がよいです。