「教えてもらっていないので、できません」はいつまで通用するか

IT屋なのにスマホは使えず、初期設定状態の無線LANにアクセスすることもできない方と会いました。これは、スキルやITへの興味といったものではなく、自分の仕事を頭から否定しているからこそなのではと思ってしまいます。

仮にものすごい技術を隠しもっていたとしても、担当を変えてもらうでしょう。髪がぼさぼさの美容師さん、自分では銀行預金しかしたことがない投資コンサルタントに仕事を頼もうと思いません。自分の仕事を極めている、好きでやっていると分かるひとを、プロとみなしたいです。「実はすごいひと」も、なんか面倒そうなのでいいです。

「マニュアルを見て手順どおりにやっているのにつながらない」と言うので手伝います。どのマニュアルを見ていたのか聞くと、あやふやなことを言いながら、まあとにかくマニュアルを見せてというまで見せようとしません。結局は、マニュアルなどみていない。平気で嘘をつくわけです。その、自分ができないことをマニュアルの不備のせいにして、他人の時間を使うことをなんとも思わないことに、驚きます。

サラリーマンの多くはマニュアル人間なんだから、マニュアルさえ読めないでどうすんだよと思うわけですが、20代とかでなく50代ですからね。若者への批判の矛先は、その悪い手本として会社に残る50代に向けるのが妥当な気がします。「近頃の若い社員は」と、経営者さえ社内の若い層を嘆いたりレッテル貼りしたりあからさまに批判したりする会社は、社内をみわたせばそんな悪い手本があちこちにいることに気付くでしょう。若い人間しかいない会社は、悪い手本が身近にいないから、会社としても生き生きとしているんでしょう。

私と同年代でも同じでしょう。かつて在籍した会社でも、「これと同じ資料をつくって」といっても、作り方を教えてもらわないとできないといわれたことがあります。この会社には、だれかが教えたことでないと仕事をしちゃいけない決まりでもあるのか?と思ったものです。私たち転職組が、「もっと、いろいろな秘訣を教えてもらえると思っていたのに、期待はずれただった」といわれたこともあります。誰一人として教えを乞うてこなかったし、逆に「お手並み拝見」の態度で何も協力する気がなく、交わろうとしなかったようにしか見えなかったわけですが。

そして、いまや、私はさらに高齢の方が多くを占める不動産業界でビジネスをしようとしています。若手批判も多いでしょう。でも、わくわくしています。私は、物故報告が続くような老舗ゼミで幹事引き受けたりして、実は歳上の方との交流は大好きです。幾度かの不動産業界が大ダメージを受けたときを乗り越えてきた方の話を、早く聞きたいと思っています。

「学ぶ力」がとか難しいことは分かりませんが、ググればどうにかなるいまでも、自分でなんでも見つけたり、工夫したりするのが人生の楽しみの原点だと思っています。それを捨ててしまうのは、ちょっともったいないです。