お客様にとって失礼のない服装をととのえる

不動産屋は、高額な物件を扱うこともあり「お客様にとって失礼のない服装」をしていることが必須です。服装だけでなく、持ち物も、そしてもちろんふるまいも失礼のないことが求められます。

これが難しいんですよね。「失礼のない服装」をアドバイスする職業などもあるので、「だれも言わないことを言わないと商売にならない」インフレで、ネットで検索したらぜったいダメな分野の筆頭でしょう。マナー系はどれもインフレ商売ですので「承知しました、了解しましたの使い分け」「おつかれさま、ごくろうさまの使い分け」といった類のどうでもいいような知識の伝授がメシの種になっています。

私は昔から服装にもこだわりはなく、だれか友人などに選んでもらえると楽で助かるってタイプです。アパレルの店員さんのことは、不動産屋の営業と同じくらい信用していないので(笑)、選んでもらうのは友だちですね。

仕事の服装、いわゆるスーツにもこだわりはなく、しいていえば、近年は管理職でもあることからお詫び訪問も多く、保守的な「失礼のない服装」であることは意識してきました。

この、スーツで「失礼のない服装」で見本とすべきは、プルデンシャル生命など外資系保険会社の営業です。日本の金融業界やIBMにあるような、内からの誇りなどもだだもれしている「紺のスーツに白いシャツ、レジメンタルのネクタイ」ではなく、個人のお客様、経営者の方に失礼のない服装を徹底的に極めた姿がそこにあります。

というわけで、こだわりのない私は、プルデンシャルをそっくりパクってきました。

スーツはゼニアでオーダー、コートはロロピアーナでオーダー。もちろんシャツや靴もオーダーです。靴は紐あり、靴底も皮で毎年メンテナンスしています。靴もこだわりはないんですが、美輪明宏さんだったか、フォーマルな場に紐のない靴で付き添おうとしたひとを「私に恥をかかす気か!」としかったかしかられたか、そんな話をうっすらおぼえています。

困るのはカバンです。私は遺伝子的にも筋肉がつきにくく非力とされているので、お客様に失礼がなくかつ一生モノの皮のカバンは無理です。そもそも、皮のカバンって車社会の産物では?と思っています。言い訳になりますが、これはノートPCやタブレットなどのデバイスとの相性がいいってことで、一部は皮でほとんどがナイロン製のカバンにしています。軽いのが一番、です。

近ごろはサラリーマンのリュック姿が目立っていますが、あれってどうなんでしょう。私は「スーツにリュックはさすがに似合わないだろう」とおっさんらしい拒否反応を示してしまうのですが(スーツ以外にリュックならOK)、妻は別の見方で「通勤時間帯の混雑した電車に、大きなリュック背負ってくるという気遣いのなさってだけで100% NG」とのこと。

あと、ノーネクタイ。営業はネクタイしてほしいなあと、理解者ぶるのではなく本心を書きます。私は、ある財閥系不動産販売会社で仲介をしてもらった際に、営業が契約にネクタイなしで来たので、上司に担当を変更させるようクレームを入れたような人間です。高額な不動産の契約って儀式的な意味も大きいわけですから、みんな「ちゃんとした格好」で席に着くわけですよ。そこに、いくら仕事で慣れているとか、エコだからとかいって、カジュアルな格好で「プロ」が同席するのが、許せなかったんですね。

そういえば、元同僚が本当のマナーを追求すべく会社を立ち上げて、書籍も多数出版、大手企業の教育はもちろん、映画などの監修もやって、いまやこの国の第一人者になっているので、彼に相談してみればいいんですね(高そう)。仕事のドレスコードづくり、これも近いうちにプロにお任せしたいと思います。